友人を言い訳にした

自分を守るウソ。
誰かに言うことで、自分の記憶さえも改ざんしている自分がいた。
昔付き合っていた人が死んだときに、死のうと思った。
何度も死のうと思った。
だけど、死ねなかった。
周りには「友人が助けてくれた」っと。
本当はただ死ね無かった。
泣き叫んで頭を壁に打ち付けても、リストカットをしてみても、身体を掻き毟って暴れても、呻きながら一晩中過ごしても、、、
結局死ねなかった。
臆病者だった。
一つの約束。
「君が死ねば、俺も死ぬ」
本気だと思っていた。
別れても続くものだと。
自分は友人が助けてくれたということで、ごまかしていた。
助けてもらわなくても、死んでいなかった。
死ねなかった。
友人は死ねない理由に使っただけ。
自分には死ぬなんてことはできなかった。
廃人のように日々を過ごしていても、生きることに何も感じられなくても。
ただ、死が怖かった。
大切な友人を言い訳にした。
約束を守らない自分を守るために。